蓬門

世の隅でコソコソと蠢く

現状の日本では原発を運用する土台はない

原発を再稼動の話が出てるけど、現状動かすわけには行かないでしょう。

まず書いておくと、私は原発の存在そのものは長期的廃止で、即時停止ではない。というのも、燃料が中に残っている限り、動かしていても止めていてもリスクに大差は無いから。

で、なぜ動かすわけには行かないかというと下記二点

 1. 原子力規制庁の中立性・公正性の確保
 2. 原子力産業への経済原理の未導入

1.について
日本人はよくも悪くも馴れ合う。しかも原子力産業は非常に狭い世界で外とのつながりも少ない。馴れ合う土壌は十分だ。こうした中で、規制を行う側が十分に監視・指導を行う必要があるが、それらをクリアできる体制にはなっていない。関係者だけでは独立性・公正性を維持できないのであれば、外部の監視もシステム化する必要があるだろう。

2.について
あれだけの事故が起きて、賠償のハナシもでているのに何故電力各社は原発を動かしたいのか?結局、東電の例で電力会社はほぼノーリスクで原発を運用できることがわかったから。もちろん国民も負担すべきリスクではあるものの、現状の仕組みでは国民に発電方法を選択する余地が無いことを考えれば、電力会社(とその経営者)は大きなリスクを負うのが筋であろう。そもそも事故リスクや核廃棄物の処理リスクなどを含めた発電コストは一体幾らなのか?市場原理が正常に働いていない現状では、原発の経済性には疑問符をつけざるを得ない。

総じて言えば、原発の存在の経済性と安全性担保が課題といえる。
もちろん安全保障上や核戦略原発輸出などの観点からは、原発の存在を説明は可能だ。
しかし、馴れ合いが続けば、メリットを超えるデメリットが顕在化する恐れがある。
公正な運用と経済性の明確化が急がれる。