蓬門

世の隅でコソコソと蠢く

季節感

生まれは雪の降らないところでしたが、大学時代は東北は岩手に住んでました。今は実家の隣の県で、生まれた地とほぼ同じ気候です。
実家の気候は大学に行くまでは当たり前でしたが、岩手で暮らしてから思い返すと、メリハリのない季節の移り変わりだったように思えてくるから不思議です。冬になれば寒いし、夏は蒸し暑いけれど、目に見えて何か変わるかと言われると、服が変わるくらいで、特別何もなかったように思えます。
岩手で暮らしたことが大きいのでしょう。はっきりと変わる季節に慣れてしまったので、今の季節の移り変わりが物足りないのです。毎日の出勤は田んぼの中を通って行くので、稲が頭(こうべ)を垂れて、刈り取られて・・・と変わってますが、その上を燕が乱舞しているのを見ると、季節感が崩れていく感じがします。

岩手の季節の移ろいが、自分の中であまりに美化されているのでしょうか。厳しく、寒く、雪がある冬があまりに遠く、懐かしく、いとおしく感じられます。やはり岩手での暮らしに未練と憧れがあるようです。