蓬門

世の隅でコソコソと蠢く

おかしさを禁じえない

表題の件について、以下の理由から改正反対を表明する。
ここで表明したところで、せん無きことだが、
パブリックコメントの受付も終ったのか見つからなかったので、ここに記しておく。

反対理由1
児童ポルノの基準があまりに不明確でありながら、処罰の基準は単純所持という、捜査機関の恣意的な運用を許す内容であること。裁判では、警察や検察の証言については無謬の原則があるので、裁判になった場合も被疑者が非常に不利な立場に立たされる。大戦前の治安維持法についても、恣意的な運用が可能で、結果思想統制や弾圧に用いられた。同様の自体が懸念される法律に賛成することはできない。*1

反対理由2
児童を性産業の被害を守るといいながら、直接の被害者がいない創作物(漫画、コミックを含む描画など)も規制対象になっている。これらと児童への性犯罪との因果関係が明らかになっているのであれば別だが、因果関係は明らかになっていない。人権を守るといいながら、表現の自由という人権を侵害につながっている。根拠もなく、人権を守ると謳いながら、他人の人権を制限することに賛成できない。

反対理由3
法改正の根拠が外圧であること。単なる世界の流行での話であり、それに乗り遅れないため、という主体性が全くない。単純所持を罰するなど、明らかに偏った規制を他国がしているにもかかわらず、それらの妥当性も考えずに法改正に走る、法治国家としての主体性のない法改正には反対である。今回の件は、むしろ海外に対して、規制の行き過ぎを指摘するべきだと思われる。

以上の理由により、私は児童ポルノ禁止法の改正に反対である。
もちろん、児童を性犯罪や性産業の魔手から守ることには賛同する。あくまでも今回の法改正の内容に対して反対するものである。

*1:いくら答弁で、そんな捜査はありえないといったところで、実際の運用がどうなるかは分からない