蓬門

世の隅でコソコソと蠢く

今日の産経新聞に載ってた記事から。

内容は元空自の司令と元海自の司令が空母の保有について意見を述べたものだった。
概略としては、ざっくり下記の通り
 1.空母はあった方が東シナ海の防空上は有利
 2.ただし運用上かなりのコストがかかるので必要性をしっかり要検討
 3.いずも型の改修するくらいなら新造すべき
 4.国民への説明と理解をえることが必要

自衛隊は、空母のようなかたちの艦船として、おおすみ輸送艦ひゅうが型護衛艦 → いずも型護衛艦 と順次導入してきた。
当初は輸送艦つづいて戦闘艦艇であったが、ひゅうが型は当初のイメージ図は空母型ではなかったが、検討を進めるうちに空母型の全通飛行甲板を持つようになった。
こうして見てみると、元海自司令が記事で述べたとおり、国民の理解を得る = 空母への拒絶をなくすために、手順を踏んでいるかのように見えてくる。
この流れで行くと、現在のいずも型の改修の話も新造での空母導入に向けての布石に思えてくる。

今回の記事では、なんとなくだが、尖閣・南西諸島で有事があれば、那覇も含めた航空戦力は無力化される可能性が高く、そのバックアップとして九州の基地ではなく、空母があれば展開が有利だとは認識していると思える。
だとすれば、今後は空母の検討の話が進むし、次期戦闘機についても空母導入の可能性も含めた検討になるだろう。

個人的な見方で根拠はないけども、ヘリ空母護衛艦の名称から海自の目標を感じれるのではないかと思っている。
ひゅが型は、旧海軍の航空戦艦の「伊勢」・「日向」の名前を使っている。いずも型は、装甲巡洋艦の「出雲」と建造中に戦艦から空母に設計変更となった「加賀」から名前をもらっている。
一つの見方は、「加賀」は正規空母であるから、海自の空母型艦船取得が一つの目標にたどり着いたことを示しても見える。
もう一つの見方は、「瑞鶴」「翔鶴」など、当初から空母として設計された空母の名前がとってある、海自はこれらの名前をつけるべき空母の取得を目指している、とも取れる。
今の状況だと後者なのかなぁと思えてしまう。

しかし、空母を運用するには人員、ノウハウ、搭載すべき航空戦力などなど、とてつもなく必要なコストが必要だ。
現状、自衛隊は人員や予算の不足が指摘されている。そんな現状で空母が運用できるのか、今のままで防衛が維持できるのかなどなど、広範に議論が進んで欲しい。